JR立川駅より徒歩13分 内科・循環器内科・呼吸器内科診療|
たちかわファミリークリニック

たちかわファミリークリニック

睡眠時無呼吸症候群

イメージ
  • HOME睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは?症状や原因、検査方法、自力での治し方を解説

「睡眠時無呼吸症候群の症状は?」
「睡眠時無呼吸症候群を自力で治すことはできる?」

このように、睡眠時無呼吸症候群について気になっていませんか?

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が停止したり浅くなったりする病気です。寝ている間に呼吸が止まるだけの病気ではなく、放置すると心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの合併症を引き起こすリスクがあります。

まわりの人にいびきを指摘されるなど、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、医療機関を受診して適切な検査や治療を受けましょう。

こちらの記事では、睡眠時無呼吸症候群の症状や原因、放置するリスク、治し方について解説しています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。

医学的には、睡眠中に気道の空気の流れが10秒以上呼吸が停止する状態を「無呼吸」といい、1時間に5回以上または7時間に30回以上の無呼吸が見られる状態を「睡眠時無呼吸症候群」といいます。

睡眠時無呼吸症候群は「SAS(Sleep Apnea Syndrome)」ともよばれ、いびきを伴うことがほとんどです。

睡眠中に呼吸が停止したり浅くなったりすると、眠りの質が低下して日中にだるさや眠気を感じて社会生活に悪影響をおよぼします。さらに、血液中の酸素が少なくなることで、心臓や脳、血管などに負担がかかって重篤な心血管疾患を起こすリスクもあります。

また、睡眠時無呼吸症候群は肥満体型の中高年男性に多い傾向にありますが、痩せ型の人や女性がなることも少なくありません。

睡眠時無呼吸症候群を指摘されたら、できる限り早めに医療機関を受診して検査・治療を受けることが大切です。

睡眠時無呼吸症候群の症状は?セルフチェック項目を紹介

睡眠時無呼吸症候群の症状には以下があります。

  1. いびきをかく
  2. 呼吸が止まる、乱れる
  3. 睡眠中に何度も目が覚める
  4. 呼吸が苦しくなる夢を何度も見る
  5. 朝に頭痛やだるさを感じる
  6. すっきりと起きられない
  7. 日中に眠気や倦怠感を感じる
  8. 日中に集中力が続かない
  9. うつ状態になる
  10. まわりからいびきを指摘される

睡眠時無呼吸症候群は息苦しくなって目覚めることがあり、睡眠中によく目が覚めるという人は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

そのほか、起床時に頭痛やだるさを感じたり、日中に眠気や倦怠感、集中力の低感を感じたりする場合も睡眠時無呼吸症候群が原因かもしれません。

また、周囲の人からいびきを指摘されて睡眠時無呼吸症候群に気づくケースも多いです。

睡眠時無呼吸症候群が起こる仕組み

睡眠時無呼吸症候群には、喉が閉じてしまう「閉塞型」と、脳・神経・心臓の病気が原因で生じる「中枢型」、あるいはその両方が原因で生じる「混合型」の3つのタイプがあります。

そのうち、もっとも多いのが閉塞型の睡眠時無呼吸症候群です。

通常、寝ているときは鼻や口から空気が通り抜け、気管や肺に入っていきます。しかし、肥満などが原因で入眠時の喉が狭くなると、空気が通りにくくなり、そこに空気が無理に通過しようとしていびきが発生します。

肥満以外にも、舌の付け根が下へ落ち込むことで空気の通り道を妨げるのもいびきが発生する原因のひとつです。

空気の通り道が塞がれてしまうと、空気が通れなくなり睡眠時に無呼吸が生じる仕組みです。

また、中枢型のタイプは疾患が原因で筋肉の動きと呼吸が停止することで、睡眠時無呼吸症候群になります。

睡眠時無呼吸症候群の原因

睡眠時無呼吸症候群の主な原因は肥満です。

通常、睡眠時は喉の緊張がゆるんで空気の通り道が細くなりますが、とくに肥満の人は喉周りの脂肪が増加するため、空気の通りが悪くなり、睡眠時無呼吸症候群になりやすいです。

しかし、痩せ型の人や女性でも睡眠時無呼吸症候群になることがあります。肥満以外に考えられる原因には以下があります。

  1. 顎が小さい
  2. 舌の付け根が落ち込む(舌根沈下)
  3. 飲酒
  4. 睡眠薬の使用
  5. 鼻づまり
  6. アデノイドや扁桃が大きい(小児の場合)

肥満ではなくても下顎が小さい人や睡眠中に舌の付け根が落ち込む人は、睡眠時無呼吸症候群を生じる可能性が十分あります。

睡眠時無呼吸症候群を放置するリスク

睡眠時無呼吸症候群を放置するリスクには、次の2つがあります。

  1. 日常生活で集中力が低下する
  2. 合併症で死亡する可能性がある

それぞれのリスクについて詳しく解説します。

リスク①日常生活で集中力が低下する

睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に何度も目が覚めるため、眠りの質が低下します。

そのため、日中に眠気やだるさを感じ、仕事中に居眠りしたり仕事に集中できなくなったりしやすいです。さらに、車の運転などでも交通事故を起こす危険性が高くなります。

そのほか、うつ状態や男性の勃起障害を起こすなど、社会生活におけるさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

リスク②合併症で死亡する可能性がある

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中の酸欠やストレスなどにより、さまざまな合併症を生じる疾患です。考えられる合併症には以下があります。

  1. 心筋梗塞
  2. 脳卒中
  3. 脳梗塞
  4. 糖尿病
  5. 高血圧
  6. 高脂血症
  7. 不整脈

睡眠時無呼吸症候群は息苦しさで目が覚めるため、睡眠時に無呼吸のまま死亡することは基本的にありません。

しかし、睡眠時無呼吸症候群は血液中の酸素が欠乏することによって心臓や脳、血管に負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中を発症させるリスクを高めることがわかっています。さらに糖尿病の悪化や高血圧、高脂血症、不整脈の原因にもなります。

重大な心血管疾患を起こして突然死される人もいるほか、強い眠気から交通事故を起こして死亡するケースも否定できません。

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が止まるだけの病気ではなく、さまざまな合併症リスクがあります。そのため、睡眠時無呼吸症候群を指摘されたら放置するのではなく、正しい診断と治療が必要です。

睡眠時無呼吸症候群の検査・診断方法

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に体内が低酸素になっていることを証明して診断します。

睡眠時無呼吸症候群の検査・診断方法には、主に次の3つがあります。

  1. 簡易検査
  2. 精密検査
  3. 日中の眠気の評価

それぞれの検査について詳しく紹介します。

診断方法①簡易検査

簡易検査とは、体内の酸素飽和度を測定する機器を指先に装着し、腕に小型の機器を装着してそのまま就寝して検査する方法です。簡易検査は「アプノモニター」ともよばれます。

検査キットは操作も簡単で、寝る前と起床後にスイッチのオン/オフを切り替え、検査メーカーへ郵送するだけなので、自宅で気軽に検査できます。

検査結果は2週間ほどでわかります。費用は保険診療で3,000円〜5,000円程度です。

簡易検査を行って、睡眠時無呼吸症候群で陽性と診断されれば精密検査を行います。

診断方法②精密検査

精密検査(本検査)とは、指先に機器を装着するだけではなく、心電図や脳波、気流測定、腹部の動き、いびきなどを確認するセンサーを装着し、そのまま就寝して検査する方法です。

精密検査は「ポリソムノグラフィー(PSG)」ともよばれ、1泊2日の入院が必要です。いびきの音も測定するため、通常は個室で検査が行われます。

呼吸が停止したり浅くなったりする回数が1時間に5回以上の場合、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

この回数が20回以上の方は、20回未満の方よりも寿命が短いとことから、20回以上測定された場合は、鼻マスクを使用した「持続陽圧呼吸療法」の適応となります。

また、検査結果は2〜3週間ほどでわかり、費用は保険診療で55,000円〜60,000円程度です。費用はかかりますが、適切に治療を行うために睡眠時無呼吸症候群の重症度やタイプを詳細に検査する必要があります。

診断方法③日中の眠気の評価

日中の眠気を評価して、睡眠時無呼吸症候群かどうかを診断することもあります。

眠気の評価は「ESS問診票(エプワース眠気尺度)」を使用します。24点満点で評価され、11点以上で眠気が強いと判断する検査方法です。

また、そのほかに口腔内をチェックしたり、睡眠時無呼吸症候群の合併症を検査したりします。

詳しい検査方法については、たちかわファミリークリニックへお気軽にご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群の治し方は?3つの治療方法

睡眠時無呼吸症候群の治し方は?3つの治療方法

睡眠時無呼吸症候群の治療法には次の3つがあります。

  1. CPAP療法
  2. マウスピース療法
  3. 手術

それぞれ詳しく解説します。

治療法①CPAP療法

CPAP療法(シーパップ)とは、鼻にマスクをつけて圧力をかけ、空気を送り込む治療法です。機械の圧力により肺に空気が流れ込みやすくなり、呼吸が停止することを防ぎます。

「経鼻的気道持続陽圧療法」ともよばれ、睡眠時無呼吸症候群の治療ではとくに有効な方法とされます。マスクを装着してバンドを固定するため、はじめは窮屈に感じて眠れないと思うかもしれませんが、慣れれば熟睡することが可能です。

CPAP療法は日中の眠気を軽減する効果が期待でき、治療を受けた次の日から眠気がなくなったというケースも少なくありません。

睡眠時無呼吸症候群が重症と判定された場合や、中等度や軽度の人でも日中の眠気が強い場合は、CPAP療法を取り入れることもあります。自宅にCPAP療法の機械を設置し、月1回の通院で治療効果を確認します。

治療法②マウスピース療法

マウスピース療法とは、マウスピース(口腔内装置)を装着して下あごを上あごよりも前に出るように固定し、気道を広く保つ治療法です。

軽度の睡眠時無呼吸症候群の治療に有効で、睡眠時無呼吸症候群の症状であるいびきや呼吸の停止の発生を防止できます。

あごにやや負担がかかるというデメリットがありますが、簡易的で効果を実感しやすいことが特徴です。

治療法③手術

睡眠時無呼吸症候群の治療法として、手術するという方法もあります。

喉の粘膜を一部切除し、空気の通り道が狭くなるのを防ぐ手術です。物理的に気道へ空気が通りやすくなるため治療効果を実感しやすいですが、患者さんの負担が大きいため、すぐに手術を行うことはありません。

ただし、扁桃腺が大きいことが原因で睡眠時無呼吸症候群になっている場合は、手術を検討することがあります。また、小児の場合は睡眠時無呼吸症候群が成長の妨げになるリスクがあるため、扁桃腺の切除手術を検討するケースも多いです。

睡眠時無呼吸症候群の自力での治し方は?4つの対策法

睡眠時無呼吸症候群を自力で治すことは難しいですが、症状を軽減させることは可能です。主な対策には次の4つがあります。

  1. 体重を減らす
  2. 横向きで寝る
  3. 寝る前の飲酒をやめる
  4. 舌の筋肉をトレーニングする

それぞれ詳しく解説します。

対策①体重を減らす

肥満体型の人の場合、体重を減らすことが睡眠時無呼吸症候群の症状改善につながります。

睡眠時無呼吸症候群は肥満に関連する病気です。肥満になると首や舌まわりに脂肪がつき、気道を妨げることで、睡眠時に無呼吸などの症状が出やすいです。

そのため、減量で脂肪を減らすことで無呼吸の改善が期待できます。

さらに、睡眠時無呼吸症候群の合併症リスクである高血圧や脳卒中、心筋梗塞などのリスクを下げることにもつながります。

対策②横向きで寝る

横向きで寝るのも、睡眠時無呼吸症候群の症状を軽減させる方法のひとつです。

仰向けで寝ると舌や喉の奥の筋肉が下へ落ち込み、気道を閉塞しやすくなりますが、横向きで寝れば気道が閉塞するのを防止できます。

ただし、閉塞型の程度が強い睡眠時無呼吸症候群の人は効果を実感できない可能性があります。また、就寝中に横向きから寝返りで姿勢が変わる可能性もあるため、あくまでも一時的な対策にすぎません。

対策③寝る前の飲酒をやめる

睡眠時無呼吸症候群の症状を軽減させるためには、寝る前の飲酒をやめることが大切です。

お酒を飲んで入眠すると、粘膜がむくんでいびきをかきやすくなります。さらに、寝つきを悪くして睡眠の質を低下させる可能性もあります。

いつも晩酌している方や寝る前に飲酒している方は、寝る前の飲酒をやめるだけで症状が改善することも少なくありません。

対策④舌の筋肉をトレーニングする

舌の筋肉トレーニングで、睡眠時無呼吸症候群の症状を軽減させる効果が期待できます。

口の周りの筋肉が弱い人は、睡眠中に重力によって舌が落ち込み、気道を塞いでしまいます。口元や舌の筋肉を鍛えることで、舌の落ち込みを防ぐことが可能です。

舌を限界まで突き出して15秒キープしたり、頭を上に向けて舌をまっすぐに伸ばして6秒キープしたりして、舌の運動を行いましょう。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。日中に眠気やだるさを感じるほか、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの合併症を引き起こすリスクがあります。

まわりからいびきを指摘された場合など、睡眠時無呼吸症候群と疑われる場合は、医療機関を受診して適切な検査や治療を受けましょう。

ページトップへ